国立能楽堂企画公演「香と能=その二」(2003年2月27日開催)
「香と能=その一」は、チケット発売と同時にお申し込みの電話が殺到し僅か30分で完売となり、当日も、満席を超える数のお客様にたっぷりとお楽しみ戴くことが出来ました。その成果を踏まえて構想を練った「香と能=その二」の骨組みは、次のようにまとまりました。
・『能と香道とを育んだ東山文化の深層に触れる』ことを主旨とする。
・香道御家流第二十三代宗家 三條西 堯水宗匠に、能舞台で講演して戴く。
・引き続き、能舞台で香席を開筵する。組香は、御宗家による新組「梅雪香」。
・並行して、会場の参加者にも聞香炉を回し、「梅雪香」を体験して戴く。
(協力:香道御家流麻布会)
・香満ちた後、休憩に入る。
・以上の第一部に引き続き、第二部は能「半蔀」(宝生流)を上演。
研修舞台とは言え「能舞台で香席を開筵する」という試みは、前述の猪又 宏治氏をはじめとする国立能楽堂の深いご理解のおかげで実現することができ、幸いでした。香席の連衆には、大倉 源次郎氏(小鼓)など第二部に出演される方々も加わって下さり、楽しんで戴きました。
前例が無い、画期的な試みの発案者でもあった御宗家は、企画公演のために、新しい組香「梅雪香」を創作して下さいました。
「梅雪香」は、開催される時季に趣向を副わせるだけでなく、当日のスケジュールを踏まえて、香席の所要時間まで計算し尽くされたものでした。そして、主題として引かれた証歌の選び方には、藤原定家の実質的な後継者として明治時代に至るまで歌壇の主流を占めた三條西家の、歌道を主たる家職とする大臣家の家格と、伝統の重みとを感じたのでした。
※資料はこちらをクリックされるとご覧いただけます。
①「表紙」
② 組香「梅雪香」
③『東山文化の深層』(三條西 堯水)
④『六国五味』(山田 眞裕)
⑤「奥付」